カラリと揚がった外皮をひとかじり。口の中には旨味あふれる熱い肉汁がじゅわっと拡がります。
想像しただけで、食べたくなるなる! それがフライドチキンの魅力ですよね。
チキンはやっぱりケンタッキー
フライドチキンといえば、「KFC」ことケンタッキー・フライドチキンがまず思い浮かぶところ。
ここカンボジアでも、「KFC」は大変な人気です(日本のように「ケンタッキー」とは呼ばれず、もっぱら「KFC」の呼称で認識されています)。
2008年、カンボジアを代表するコングロマリットのひとつ「ロイヤル・グループ」によってプノンペン市内中心部モニボン通り沿いにカンボジア「KFC」1号店がオープンしました。
その後も順調に事業拡大が続き、現在までにカンボジア全国十数店舗を展開するまでになっています。
カンボジアにおけるフライドチキン勢力図
これまでのカンボジアでは、バーガーキングやロッテリア、カンボジア地場のラッキーバーガーらそれぞれのファストフード・チェーン店が凌ぎを削ってきたものの、ことフライドチキンに関しては専門店として一歩先をゆくKFCの後塵を拝する状況が続いてきました。
しかし2019年12月、カンボジアのフライドチキン業界に、”ケイジャン・シーズニング”のスパイシーな香りとともに、新しい風が吹き始めることとなりました。
「ルイジアナ・フェイマス・フライドチキン(Louisiana Famous Fried Chicken)」が、プノンペン中心部の新型商業施設チップモン・ノロモール内に登場したのです。
ルイジアナ・フェイマス・フライドチキン
「ルイジアナ・フライドチキン? ケンタッキー・フライドチキンのモノマネじゃないの?」
そんな気持ちもうなずけます。しかし、まずは一度、試しに食べてみてください。
食欲をそそるケイジャン・スパイスの香り!
サクサクに仕上がった衣の揚げ具合!
そして、口いっぱいに広がるジューシーさ!
これまでハンバーガーに次ぐ”二番手”として売られてきた各ファストフード店のフライドチキンとは一線を画した本気のフライドチキンをカンボジアでも楽しむことができるようになりました。
難民経営の”成功例”がカンボジアに凱旋
「ルイジアナ・フェイマス・フライドチキン」は、1976年、米国ロサンゼルスにて開業。現在では米国にとどまらず数か国に合計約150店舗のネットワークを誇る大きなファストフード・チェーンとなっています。
ロサンゼルス・タイムズの取材に対して、創業者ジョー・ディオン氏は答えています。
「この成功の鍵は、カンボジア移民たちのおかげである」
フランチャイズの8割以上がカンボジア系オーナーによる経営、その多くはかつての内戦から難民として米国に逃れてきたカンボジア移民とその子孫たちです。
彼らの勤勉な働きぶり、そして家族・親族の強固な結びつきによる親族経営が競争力を下支えしてきました。
2009年には、カンボジア難民出身のマイケル・エン氏が、創業者ジョー・ディオン氏からそのビジネスを継承し、さらに事業を拡大していきます。
“If there is a Kentucky Fried Chicken on one corner, a Church’s on another and Popeye’s on the third one, I will open a Louisiana chicken on the fourth. I will try,” said Eng, 46.
Los Angels Times – “How Cambodians became the kings of beloved South L.A. fried chicken chain”
そうして2019年12月、彼らのルーツであるカンボジアの首都プノンペンに「ルイジアナ・フェイマス・フライドチキン」をオープン、”故郷に錦を飾る”こととなりました。
カンボジアへの逆輸入となった「ルイジアナ・フェイマス・フライドチキン」は、世界でも珍しいカンボジア難民出身者による成功例として挙げることができるでしょう。
まとめ
今日のランチに、夕食またはお夜食に、アメリカ南部の香り漂うケイジャン・スパイスの味わいをアツアツで楽しむことができるフライドチキンはいかがでしょうか。
「ルイジアナ・フェイマス・フライドチキン」は現在、カンボジア国内の各種デリバリーアプリでも注文・配達が可能です。
コロナ禍で社会インフラに! カンボジアのデリバリーサービス【2021】