コロナ禍で社会インフラに! カンボジアのデリバリーサービス【2021】

コロナ禍で社会インフラに! カンボジアのデリバリーサービス【2021】

日本国内でも人気のフードデリバリーサービス。コロナ禍による来店自粛のために、いまでは多くの方が食品や料理のデリバリーを利用しています。

本記事では、ここカンボジアでのデリバリーサービス最新事情についてまとめていきます。

コロナ禍で急成長したカンボジアのデリバリーサービス

Online food deliveryカンボジア国内では、デリバリーサービス各社の積極的なプロモーションもあり、2020年以前にも少しずつ人々から認知されるようになっていました。

2020年に入りCOVID-19パンデミックの脅威が全世界に拡大すると、当時は国内の市中感染自体は制御されていたカンボジアでしたが、日本同様に飲食店から人々の足が遠のいていくとともに、デリバリーサービスの人気は急速に高まっていきました

「2月20日コミュニティ感染事案」の発生、ロックダウン

そして2021年、カンボジア国内の状況には大きな変化が訪れます。

「2月20日コミュニティ感染事案」を皮切りとした大規模な市中感染の拡大、そして2021年4月に実施された首都プノンペンのロックダウン(都市封鎖)措置を経て、外出することなく自宅まで必要な物品や食品を届けてくれるデリバリーサービスは、とりわけ首都プノンペンに暮らす人々にとってなくてはならない”社会インフラ”同様の存在に成長しました

外出禁止「レッドゾーン」で暮らす人々の生活支援も

2021年5月5日深夜にようやく解除された首都プノンペンのロックダウン。しかしながら、深刻な感染拡大が危惧される一部地域は引き続き「レッドゾーン」として指定され、食料品の買い出しを含む一切の外出が禁止されています

そうした「レッドゾーン」でも、カンボジア商業省より認可された一部のデリバリーサービスは生活必需品の配達が許可され、そこで暮らす人々の生活を支援しています。

高い確率での感染拡大が認められた危険なエリアにも関わらず、人々の生活を守るために配達を続けてくれているデリバリーサービスのドライバーのみなさんには、強い感謝と尊敬の念に堪えません。

カンボジアで人気のデリバリーサービス5選

この2年ほどで急成長したカンボジアのデリバリー業界ですが、そこではいろいろなサービスが次々と生まれながら、競争の中ですでに淘汰されてしまったものさえあります。

2021年5月現在、カンボジアで特に人気を集めているデリバリーサービスをご紹介します。

Nham24(ニャム24)

カンボジア国内デリバリーサービス黎明期からの老舗であり、現在も大きなシェアを誇っているのが「Nham24」です。

レストランやコーヒーショップだけでなく、生鮮食品店や肉屋、ミニマート等にも幅広いネットワークを確保しているのが魅力です

料理のデリバリーのみならず、外出制限が厳しいロックダウン期間中にも、欠かせない日用品を運ぶドライバーたちの姿が数多く見られました。

2021年5月現在、決済サービス「PiPay(パイペイ)」利用でのお得なプロモーションを展開中です。PiPay払いでの5ドル以上のデリバリー決済で、配達料無料+PiPayキャッシュバック5%

FoodPanda(フードパンダ)


その一方で、2019年ごろから急成長を見せたのがシンガポール発ドイツ企業による「FoodPanda」です。

屋台や小規模飲食店も含めたカンボジア一般層に馴染み深いローカル料理の取り扱いと、積極的な値引き展開、そして送料無料の大盤振る舞いなプロモーションが話題となって、カンボジア人の消費者に一気にシェアが拡がりました

同社はシンガポールやカンボジアだけでなく、アジア諸国でフードデリバリーサービスを幅広く展開しながら、2020年後半には日本にも上陸。以降、日本国内でも積極的なプロモーションを進めています。

E-GetS(イーゲッツ)


前述の2社とは異なる方法で、現在のカンボジアらしい成長を遂げたのが「E-GetS」です。

同社はカンボジアに移住し生活する数多くの中国人顧客層を第一のターゲットとして、中国人経営の飲食店からのフードデリバリーを中心に取り扱いを開始しました。

アプリの表示言語や取り扱いメニューの表記には中国語を標準言語として使用しながら、さらにはコールセンターも中国語優先(確認時の電話も中国語でかかってきます)にするなど、中国人マーケットに特化したことで、羽振りの良い中国人消費者たちの確保に成功

その後も、中国人消費者をターゲットにするその他の飲食店(ファストフード店や各国料理店)を取り扱いに増やしながら、日本料理のレストランも数多く取り扱うまでに拡大しています。

競合他社に比べて飲食店に対する手数料も割安に設定しているらしいことから、E-GetSでしかデリバリーサービスの取り扱いをしていないレストランも少なくありません。

Aeon Online(イオン・オンライン・スーパーマーケット)

純粋なフードデリバリー業者とは一線を画した存在として、日系スーパーマーケット最大手のイオンが手がけるオンラインスーパーが数多くの人々に愛されています。

どんなにたくさん注文したとしても、プノンペン市内ならたった1ドルの送料で生活に必要な食料品や日用品をまとめて届けてくれるのは、カンボジア人の方々だけでなく、わたしたちカンボジア在住日本人にとても本当にありがたい存在です

現在、プノンペン市内の一部レッドゾーンにもデリバリーサービスを展開し、現在の厳しい市中感染状況下においても人々の生活を支え続けています。

Grab(グラブ)

コロナ禍が始まる以前からタクシー配車アプリとして人気を集めていた「Grab(グラブ)」でしたが、デリバリーサービスにも積極的な展開を見せています。

生鮮食品や飲料をデリバリー注文できるGran Martサービスの他、格安で物品を市内配達してくれるGrabExpressが非常に便利と人気を集めています

前述のデリバリーサービスの取り扱いがないようなレストランやその他の店舗でも、個別に連絡をしながら銀行口座送金等での非対面の支払いをすることで、GrabExpressを利用して自宅まで迅速な配達を手配してくれるケースも増えています。

まとめ

インターネット、とりわけスマートフォンを介した4G通信サービスの普及に伴い、ここカンボジアでの生活は数年前とは比べものにならないほど便利になりました

全世界的なコロナ禍を迎えた2020年までにデリバリーサービスの素地が準備されていたことで、新しい生活様式も誰もがスムーズに取り入れることができました。しかし、もしもこうしたサービスが事前に成長していなかったらと考えるとゾッとしてしまうほどに、これらのデリバリーサービスが持つ社会インフラとしての存在感は大きくなっています。

飲食店に対する手数料の高さに対する不満や、各デリバリーにおけるトラブルも聞かれることはありますが、だんだんと社会全体がこれらのサービスに慣れてきたようにも感じられます。それらデメリットも前提として捉えながら、上手に利用していくのが得策でしょう。

ロックダウン実施措置が明けたばかりの難しい時期にも関わらず、各社ともにすばらしいプロモーションを次から次へと展開しています。あなた自身でまだ利用したことがないデリバリーサービスがあれば、ぜひとも積極的に試してみてください。意外な便利さに驚くかもしれませんよ。

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