コロナ禍のいまだからこそ真剣に考えたいカンボジア移住【後編】

コロナ禍のいまだからこそ真剣に考えたいカンボジア移住【後編】

2020年、様々なことが世界各地で起こり続けている現在の状況にも関わらず、カンボジア入国は決して閉ざされているわけではないことを【前編】ではお伝えいたしました。

「外国人としてカンボジアに入国させてもらう」ための当たり前のことを尊重し、必要な防疫措置を遵守することで、新型コロナウイルスの脅威が抑制された平和なカンボジアでの生活の第一歩を踏み出すことができます。

2020年11月18日よりカンボジア入国条件の改定が実施されています。カンボジア入国をご予定の方はくれぐれも最新情報の入手に努めてください。
【参考】 在カンボジア日本国大使館Webサイト | カンボジア日本人会Webサイト

そうして入国を果たした先で待つ現在のカンボジアでは、実際にどのような生活が営まれているのでしょうか。

壊滅的状況のカンボジア国内観光産業

世界各地でコロナ禍が本格化した2020年現在、外国からの観光客に依存していたカンボジア国内観光産業の多くでは壊滅的な打撃を受けており、これまで5万人以上もの観光業従事者が失業したとも言われています。

日系旅行会社も営業を大幅に縮小

数多くの宿泊施設や旅行業者が営業の制限を余儀なくされる中、大手日系旅行会社であるエイチ・アイ・エスはイオンモール・プノンペン内で営業してきたプノンペン事務所を2020年9月末をもって閉鎖し、営業拠点をシェムリアップのみに縮小しています。

観光都市シェムリアップを襲う大不況

世界有数の観光都市であったシェムリアップでは、団体旅行客の受け入れをしてきた大型ホテルや観光客向けレストランは営業を軒並み停止し、昨年まで数多くの国内外の観光客から人気を集めていたカンボジア文化村でさえ2020年11月での閉鎖を決定するなど、観光需要の蒸発および観光業従事者への経済的影響は計り知れない状態となっています。

富裕層による国内消費が活発に

観光ビザの発給が停止され、外国からの観光客がカンボジアを訪れることがなくなった一方で、カンボジア国内の富裕層の動向にも大きな変化が生まれています。

コロナ禍が世の中を席巻する前までは、東南アジアの近隣諸国だけでなくオーストラリアやアメリカ、ヨーロッパ、はたまた日本や韓国、中国といった世界各地への旅行を楽しみながら自由と豊かさを謳歌していたカンボジア人富裕層でしたが、これまでのように自由に海外旅行を楽しむことができなくなった現在、彼らの消費活動はカンボジア国内に向けられることになりました

活性化していくカンボジア国内旅行マーケット

当初4月に予定されていた2020年クメール正月の連休期間は、当時の新型コロナウイルス感染拡大への最大限の警戒のために延期が決定されました。

その後の国内状況の改善を受けて、2020年8月に5連休ものクメール正月延期分の振替休日が設定されるとともに、富裕層および中間層を中心に国内旅行が活性化しています。

首都プノンペンからほど近い距離で海や自然を満喫できるカンポートやケップに人々が押し寄せた他、深緑に囲まれた環境で余暇を楽しむキャンピングそしてグランピングがこれまでにないほどに流行となりました。

その一方で、山や森林でのキャンプを楽しんだ後にはゴミが持ち帰られることなくそのまま廃棄されてしまうことから、ゴミ問題による環境破壊が一気に深刻化する事態を迎えています。

高級寿司に傾倒するカンボジア人富裕層

コロナ禍によって迎えたカンボジア国内消費の変化は、旅行だけではありません。

カンボジアでの日本食文化は、2014年のイオンモール1号店開業、2016年の全日空直行便の就航といったこれまでのステップを通じて地道に、しかし着々と環境が構築されてきましたが、それでもやはり主な消費者は、これまでは日本人駐在員や外国からの出張者らが中心となっていました。

しかしコロナ禍による国際間の移動への制限を迎えてしまった現在、日本人駐在員や出張者らの活動が減少する一方で、新鮮な愉しみを常に貪欲に求め続ける富裕層からの強い関心が、カンボジア国内、とりわけ首都プノンペンにおける洗練された日本食レストランに向けられることになりました。

世界中の景気に不透明感が増す現在の状況下にも関わらず、彼らはお金に糸目をつけることなく、さらに美味しいものを、さらに贅沢なものを、とばかりに力強い消費行動を続けています。

タイやシンガポール、マレーシアといった近隣の東南アジア諸国でも大きなブームを迎えていた贅沢嗜好の日本食文化に追随するようにして、一食あたりの金額が庶民の月給ほどするような高級寿司店には連日予約が殺到するほどの事態となっています。

変わらず活発なプノンペン市内の不動産開発

首都プノンペンにおける経済活動の勢いは、街なかを見ているだけでも強く感じることができます。

カンボジアにおける新型コロナウイルス第一波を迎えた初期こそ市内には静けさも感じられたものでしたが、2020年4月以降は国内感染の封じ込めに成功しているカンボジアでは、不動産開発や新しい商業施設のための工事現場、市中の交通渋滞による喧騒は、これまで以上ともいえるほどに激しさを増しています。

コロナウイルスの脅威が姿を消した後の2020年第3四半期には不動産ローン申請件数が対前期比で50%増を記録するなど、不動産取引が引き続き高い意欲で利用されている様子が伺えます。

コロナ禍でも経済活動が続く”健康体”

富裕層による国内消費の拡大、また引き続き順調な不動産開発の動向もあり、幸いにして経済的に健康な状態がカンボジアでは継続されています。

【前編】で述べたような自然災害に対しても、カンボジア国内からは日本円にして7億円を超えるほどの支援が主に有力者や国内企業を中心に集められました。こうした動きからも、カンボジアという国全体にとっても、じゅうぶんな基礎体力そして自己治癒力がこのコロナ禍の中でも備わっていることが見て取れます。

2020年版、カンボジアの”歩き方”

コロナウイルスが封じ込められ、業界による差こそあれ経済活動も引き続き活発な現在のカンボジアにおいて、私たちはどのように生活していくべきでしょうか。

残念ながら日本国内の景気が大幅に落ち込むこととなった2020年現在、カンボジア国内での日系企業には、駐在員の帰国や事業休止を含む撤退の動きも増えています。その一方で、駐在員を補助する存在としての現地求人の動きも発生しています。

こうした求人活動は、主に日本人経営の人材紹介会社に依頼されているケースが多いので、必要な場合には、そうした会社を中心に活用していくことが大切になるでしょう。

近年有名になった「FIRE」に代表されるような早期リタイアメントであったり、はたまたコロナ禍におけるリモートワークやオンライン会議の普及といった働き方の多様化によって、これまで以上に自由度の高い生き方が私たちの視野にも見えてきています。

すでにそうした生き方をすでに実践している、もしくはこれから開始しようとしているような状況であれば、すでに新型コロナウイルスが抑制されており、なおかつ生活費が安価で気候的にも過ごしやすいカンボジアを拠点としての生活は、さらに質の高い暮らしを実現することにもつながることでしょう。

まとめ

悲しいことに、現在、日本国内では、自殺のニュースが相次いでいます。

先月自殺した人は全国で合わせて2153人で、去年の同じ時期より614人増えたことが分かりました。自殺者は、ことし7月以降4か月連続で増えていて、特に女性が大幅に増加し深刻な状況が続いています。

NHK NEWS WEB | 先月の自殺者 去年より40%増加 女性が大幅増 コロナの影響も

2,153人という自殺件数は、累計ではなく、2020年10月の1ヶ月間のみの件数であり、日本国内の新型コロナウイルスによる現在までの累計死者数(2020年11月22日現在、1,988名)を大幅に上回るものです

悲しくも自死を選んでしまった方々には、それぞれ異なる事情や理由があったことでしょうし、その中には、コロナ禍を原因とする景気の低迷や生活の不安もあったかもしれません。

せめてその最悪な結論に至る前に、できることであれば、現在の日本よりも”平和”で”健康”な生活環境に思いを馳せる選択肢さえあれば、悲しみを減らすことができたのではないか──。

もちろん、新型コロナウイルスの封じ込めに現時点では成功しているカンボジアにも、いつなんどき、外部からウイルスの脅威が再び持ち込まれることになるかもしれません。

予期せぬ事態が生じてしまったときでさえも、与えられた状況下において、どのように生きて抜いていくべきか。

マニュアルに頼ることなく、自らの判断で歩き方を決めることができるたくましさをも、カンボジアという国、そしてここに住む人々は、その生き方をもって私たちに示してくれる気がするのです。

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