2020年10月中旬、近年まれに見るたいへんな洪水被害に見舞われてしまったカンボジア。
被災世帯数が10万世帯を超える中、田畑が水没し収穫前の農作物が流されてしまうなど、農業を主要産業とするカンボジアにとって厳しい事態が広い地域にわたって発生しています。
その後、災害被災地に対しては、カンボジア国内企業や有力者らから多額の支援や寄付活動が立て続けに発表されました。今後の被災地のすみやかな復興が期待されています。
雨季の終わりを乗り越えた先には、過ごしやすい乾季がすぐ目の前にやってきています。
どんな状況でも季節の変遷は止まらない
例年、10月末から11月中旬ごろの水祭りによる連休期間を過ぎるころには、カンボジアは乾季の始まりを迎えます。
全世界的なコロナ禍が長期化している2020年、私たちの社会生活には大きな変化が余儀なくされましたが、季節の移ろいにはなんら変わることはありません。
これまで空を覆ってきた重たい湿気が抜けるとともに、カンボジア国内各地にはさわやかな風が流れ始めています。
乾季はカンボジアのベストシーズン
カンボジア旅行のベストシーズンは、ずばり乾季です!特に11月下旬から1月にかけては天気の良い日が続き雨も少なく比較的カラッとしているので、遺跡巡りなどの観光にはぴったりですよ。冬は寒い日本から抜け出して、カンボジアに避寒しに行くのもおすすめ!
タビナカマガジン:カンボジアの天気や気候は?ベストシーズン・おすすめ服装など徹底解説
間もなく観光のベストシーズンを迎えるカンボジアですが、アンコール・ワットのお膝元であり世界有数の観光都市シェムリアップにも、アジアのビジネスハブのひとつになりつつある首都プノンペンにも、外国からの観光客、出張客が戻らない状況が依然として続いています。
カンボジア入国にまつわる状況(2020年11月現在)
「カンボジアに行きたいけどコロナウイルスの影響があるから行けない」
「日本から出発できてもカンボジアが入国させてくれないと聞いている」
だからいまはカンボジアに行けない……と、これらの理由を耳にすることがありますが、果たして実際の状況はどうなのでしょうか。
カンボジアはロックダウンしていない”COVID-19戦勝国”

2020年4月に緊急事態宣言を発令した日本や、都市部のロックダウンを経験した(もしくは現在も継続している)諸外国とは異なり、カンボジアはこれまで一貫して社会活動や経済活動の停止をすることなく新型コロナウイルス感染症の封じ込めに成功した世界中でも稀有な”COVID-19戦勝国”です。
2020年10月28日時点までにカンボジア国内で新型コロナウイルス陽性として報告された症例は累計291名と諸外国に比べて極端に少なく、そのほとんどが回復、退院済み。新型コロナウイルスによる死亡例も一切発生していません。
国内感染も2020年4月12日以降には発生しておらず、現在ではカンボジア国外からの入国者から発見される感染者がしばしば報告されるのみとなっています。
入国禁止国ゼロのカンボジア
2020年5月20日付のカンボジア保健省発表による欧米など6カ国からの入国禁止解除後、カンボジアは、コロナウイルス対策による入国禁止をいずれの国に対しても実施していません。
国内のウイルス封じ込めに成功している一方、カンボジア国外からの入国者には平常時よりも厳しい入国規制(および入国時状況によっては最低14日間の強制隔離措置)が適用されています。
ただし、それを別な表現に言い換えるならば、入国規制や防疫措置をじゅうぶんに理解し必要書類の用意や事前のビザ取得等の条件をもれなく満たすことができれば、原則的にカンボジアへの入国は誰にとっても開放されていると言うことができるでしょう。
まとめ(後編に続きます)
現在、平時には考えられなかったような厳しい入国規制が継続されていますが、カンボジアを訪問する方法がないわけでも、カンボジア入国が禁止されているわけでもなく、道は決して閉ざされていません。
日本からカンボジアへの直行便は長らく欠航が続いているものの、主に韓国経由フライトを利用して日本からカンボジアを訪れるビジネスマンや、JICAおよび政府機関関係者も少なからず存在しています。
「外国人としてカンボジアに入国させてもらう」ためにカンボジア政府から必要とされている書類や条件を事前に理解し、間違いなく用意した上で、入国時そして入国後の検疫措置を遵守すること。そうした”外国人として当たり前のこと”さえ守ることができれば、その先には新型コロナウイルスが抑制された世界があなたを待っています。
「後編」では、現在の”コロナフリー”なカンボジア国内状況を踏まえた上でのカンボジア移住について、より具体的に考えていきたいと思います。
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